人生前半の振り返り

38歳の私がこれまでの人生を振り返り、次へ活かすことを自分の視点から書いてみました。

鉄板麺

 中学のときに、英語で赤毛のアンの一部が教科書に載っていた。どの部分が載っていたか内容はよく覚えていない。ただ、面白いと思ったことってなかなか忘れない。

 私の斜め前に座っていたゆんちゃんにいまでも感謝したい。英語の先生が、赤毛のアンの作者、L・M・モンゴメリーについてのエピソードを話していた。

「作者の名前はたくましい印象なので、作者はこの名前を気に入っていなかった」という話だ。

 外国人の名前とはどういう種類があるのか、どんな印象になるのか全く想像ができなかった。先生は、日本人の苗字でいうと、う~んそうですねえ、と言葉に詰まるだけで、具体例を示してくれない。この話するなら準備しておいてよ先生。

 けれど、ゆんちゃんはその話を聞いてすぐに的確に表現した。「轟さんでしょ。」と。私は一気に合点がいって大爆笑だった。真面目一辺倒な先生の授業でも、気を取り直して元気が出てきて、この中学に入って本当に良かったと心から思えたほどだった。 

 演劇部のゆんちゃんはものを例えるのがうまかった。女子特有のあいまいな言い方をしなかったし、だらだらと長く話すこともなかった。彼女は最短ワードでほぼ100%に近いイメージを人に伝える能力に長けていた。そういうふうに工夫して言葉を使っているようなった。広く言葉や意味を知っていないとできないことだ。B型で面白かったゆんちゃん、ぜひ言葉を扱う仕事をしてほしいと願う。

 当時、焼きそばのCMで、家が回転して後ろ半分が鉄板焼き屋さんになって焼きそばを作っているというCMがあった。ゆんちゃんは演劇部の舞台の真ん中が回転テーブルのように動く床のことをいつも真顔で「鉄板麺」と言い切っていた。私はそれを聞く度にうけていた。いまでも鉄板麺と聞くだけで吹き出してしまう