人生前半の振り返り

38歳の私がこれまでの人生を振り返り、次へ活かすことを自分の視点から書いてみました。

塾の友達

 中学受験の勉強は大変だった。勉強も大変だったけれど、塾の友人関係がこの上なく悪くて大変だった。

 いま思い返しえてみてこれまでで最悪の友人関係だったと言える。私は公立の小学校でトップの成績だったけれど、塾のクラスの中ではできない方だった。それは、私立の小学校の子たちがいたからだ。

 私立の小学校は塾よりも一足早く授業で勉強している。学校の授業で学んだことを後で塾で復習していることが多いのだ。

 だから、塾での勉強やテストは2度目になり、再度勉強することになる。

 そういう子たちは公立の子よりもたいがい成績が良い。私がいくら早めに予習して取り組んでも、すでに彼らは学習済みなので、いつも彼らよりも3か月遅く取り組んでいるような感覚になる。塾のテスト勉強に充てられる時間もより多くなるので、テストの点が高いのはいつも彼らだった。頭がいいからとかそういう問題ではないと子供ながらに気づく私。仕方ない現実だけど、やはりテストの点で示されてしまうので劣等感があった。理不尽に劣等感を抱えさせられたまま紋々と勉強する日々だった。

 

 塾の友人2人とは気が合ったからという理由ではなく、私のママと友人二人の親の仲が良かったからだ。子供同士はどう考えても気が合わなかった。ひどいことをよく言ってきたし、心がひねくれているなと思うことが多々あった。よく付き合っていたと思う。

 でも塾で一緒にお弁当を食べたり、帰り一緒に帰ったりする友人というのは必要なので仕方なく一緒にいた。私はママが親同士で楽しそうに話をするのを見て、その友人の悪口を言えなかった。

 でも結局、その友人2人は6年生の夏になって、中学受験をやめることになったのだ。二人ともとても成績が良かったが、なぜか誰でも入れるような中学へそれぞれ入学することに決めたと言う。親と相談して中学受験をやめることを決めたと言っていたけれど、何か特別な理由があるような気がしてならなかった。

 どうしてなのか、受験ってなんか裏ですごく良くないことがあるのではないか。私は急に不安になった。頑張って勉強して難関中学校に入学することがベストの道だと教えられてきたのに、成績の良い二人の選んだ道を知って、中学受験が小さく見えてきた。たくさんある選択肢の一つでしかないのではないか。その後も、なんとなく勉強に気合いが入らずに滑り止めの中学に入学することになってしまう。いま思うとあの二人に多かれ少なかれ影響されてなんだか足を引っ張られた気分だ。

 どうしてあのときラストスパートできなかったのか後悔している。なんか二人にエネルギーをすい取られたような、そんな気になってくる。なぜか頑張れない停滞時期だったのだ、と思うようにしているけれど、今でもやっぱり悔しい。