中学入学当初
中学校一年生のときは何かと刺激を受けた。中学受験を失敗して落ち込んでいた私。
周りの入学者たちは嬉しいオーラを放っていてまぶしかった。私は、自分と同じように滑り止めで入学している子と慰め合うような会話がしたいな、と思っていた。これ以上のプラス思考は生まれなかった。キラキラの子たちと話をしたい気持ちになれなかった。
私はそのとき、中学受験時代の悪友が言っていた「一緒にお弁当食べよう」という言葉をふと思い出す。この言葉がすごく暗くて重たかったことを思い出す。
いつも近くの席に座っていて、いつも一緒にお弁当食べていたのによくその言葉を言ってきた友。束縛されてるような気になる。一緒にお弁当食べたり、話したりしたけど、いつもとげとげしくて全く気の合わなかった友。自分が一人になりたくなくて私と一緒にいた友。
自分の周りに心開ける人などいない。近くにあってもフワフワとどこかへ行ってしまうような友情。Gさんはそんなひとたちに囲まれていた小学校生活だったのだなと想像すると、いまさらながらGさんの苦しみが分かる。
私はこの人たちと友情を作り始められるのか。私のいまの落ち込みを分かる友達っているのか。
私の隣に座る友人Iさんは、中学で初めて友人になった人だった。
私は「一緒にお弁当食べよう」と言葉を掛ける。すぐそばにいるのにそんなこと言う私を一瞬不思議そうに見るIさん。「もちろん一緒に食べるよ」と言ってくれた。私は本当に安心した。
それで、中学受験時代の塾友だったGさんを心から許せた。Iさんは束縛気味な私の発言を重いとも受け止めず、フワフワした友情にもならず、中学高校の6年間で私の親友でいてくれた。